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起業家支援プログラム - Social Impact Lab

2014年、ライプツィヒで起業家たちを支援するプログラムが立ち上がりました。そのプログラム“Social Impact Lab”は、スイスのドロソス財団 (Drosos Stiftung)が後援し、ベルリン、ハンブルク、フランクフルト、ウィーンに次いで、ライプツィヒが5つ目の拠点となります。

「公開プレゼンテーション
公開プレゼンテーション「ピッチ」でコンセプトを発表する志願者 ©Social Imapce Lab Leipzig

起業する内容は「社会的」であることが前提で、審査を通った起業家たちは、8カ月にわたりシェアオフィスのスペースで、立ち上げや運営資金のやり繰りの仕方、会社登録に必要な書類手続きについてアドバイスを受けます。これらはすべて無料です。志願者はまず申請書を提出し、その後、「ピッチ」と呼ばれる公開プレゼンテーションにてアイデアを発表します。そこで審査を通過した人(上限は年間16組)が、実際の起業プロセスへと進みます。

ここでいう「社会的企業」とは、単なるお金儲けを目的とせず、世の中の役に立つ事業を運営するということが重要となります。これまでに支援を受けて実際に立ち上がった事業は、魚の養殖と農業を結び付けるアクアポニク(Aquaponik)、教育の資料をWikipediaの要領で、共有しながら常にブラッシュアップし続けるオンライン・プラットフォーム、障害を持つ子どもたちが遊びながら学べる玩具の制作・販売などです。さらに、審査を通過した人たちだけが支援を受けるのではなく、社会的企業の立ち上げに関心のある一般の人が、無料で参加できるセミナーも行っています。

私が先日参加した8時間にわたるワークショップでは、まず「社会的企業」のアイデアの具体化に始まり、パートナーの探し方、会社設立に必要な法的手続きの進め方、資金繰りについて話し合われました。一方的なレクチャー方式ではなく、参加している人たちの動機や関心をまず司会進行役の人が聞き出して、それに沿って話が進められました。

ネットワーキングの場
「食」をテーマに開催されたイベント。参加者同士の重要なネットワーキングの場。

また、テーマに合わせたプログラムも開催されています。1月のテーマは「食」でしたが、関心のある人たちが一堂に集まって、市内とその近郊で活動する人たちを繋ぐ大切なネットワーキングの場となりました。環境に優しく持続可能な地産地消の食生活を実現させるため、アーバンガーデニングを実践している人や、無農薬食材を扱う人たちが熱心に情報交換をしていました。さらに、実際に合同でイベントを開催するアイデアなど、この場から広がる具体的な案も議論されました。

さて、私自身もどのタイミングでピッチに参加しようかと、目下計画中です。

ミンクス 典子
ドイツ建築家協会認定建築家。福岡県出身。東京理科大学建築学科修士課程修了後、2003年に渡欧。欧州各地の設計事務所に所属し、10年から「ミンクス・アーキテクツ」主宰。11年より日独文化交流拠点ライプツィヒ「日本の家」の共同代表。
www.djh-leipzig.de
 
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