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Fr. 19. Jan. 2018

ドクターの診察室
ドクターの診察室: 健康に関する悩み・質問にDr. 馬場が答えます!

気を付けよう! 夏の下痢

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夏休みなので、子どもを連れて日本へ一時帰国します。夏の旅行ではときどきお腹を壊してしまうのですが、何か有効な対策はあるでしょうか。

Point

  • 冷たい飲み物やアルコールの多飲、食べ過ぎに注意。
  • 腹部を冷やさないようにし、十分な睡眠を取る。
  • 帰宅時や調理前後、食前は、必ず流水で手洗いを。
  • 多忙過ぎる旅行計画はストレスの要因に。
  • 粘血便を伴う下痢は、早急に医療機関を受診。

急性の下痢の原因

● 清涼飲料水やアルコールの飲み過ぎ・食べ過ぎ、寝冷えに注意
冷たい清涼飲料水・アルコールの飲み過ぎは、下痢(Durchfall)や腹痛(Bauchschmerzen)の原因となることが少なくありません。また、薄着や上半身裸のままエアコンのついた部屋で寝ていると、寝冷えから腹部症状を来すことがあります。皮ふは熱を持っているのにお腹が冷たいときは要注意です。食べ過ぎにも気を付けましょう。これらに起因する下痢に、発熱は伴いません。

● 細菌による胃腸炎(食中毒、Lebensmittelvergiftung)
夏は細菌による胃腸炎が起こりやすくなります。食中毒を起こす代表的な細菌は、病原性(下痢性)大腸菌、腸炎ビブリオ菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクターなどがあります(後述)。通常、細菌による胃腸炎では、「発熱」と「しぶり腹」(腹痛はあるが便が出ない状態)がしばしばみられます。

月別にみた細菌性食中毒の発生件数

● 夏風邪
夏の暑さを好むウイルスによって引き起こされる病気です。のどの痛みや発熱などの風邪症状の後に、腹痛・下痢を来します。子どものプール熱、手足口病、ヘルパンギーナ(急性ウイルス性咽頭炎)が知られています。

● 旅行のストレスや疲れに伴う下痢
夏の日本への一時帰国は、高温多湿な気候に加え、短期間滞在の過密スケジュールや移動の疲れが肉体的なストレスとなって、腸運動をつかさどる自律神経系に影響し、下痢の原因となります。

● 薬剤による下痢
風邪症状に対して抗菌薬(抗生物質=Antibioticum)を漫然と用いると、腸内の正常な細菌叢(そう)が壊れて下痢になることがあります。解熱鎮痛剤(Analgetikum、Schmerzmittel)の使い過ぎも、胃腸障害の原因となります。

下痢を生じるメカニズム

夏は食中毒に注意!

● 感染型と毒素型の食中毒
食材に付着した細菌が腸内で増殖し、障害を起こす「感染型」食中毒と、食品内で細菌が作った毒素を口にして中毒症状を来す「毒素型」食中毒があります。

● サルモネラ菌(Salmonelle)
生卵が感染源となることが少なくありません。また、サルモネラ菌は家畜やペットの消化管に生息しているので、かわいいペットとはいえ、触ったら必ず手を洗いましょう。潜伏期間は12〜24時間です。

● カンピロバクター(Campylobacter)
子どもの下痢の原因として多いのが、カンピロバクターです。潜伏期間は2〜5日です。カンピロバクターは食肉などに含まれていることもあるため、バーベキューなどでは十分に加熱することが大切です。

● 黄色ブドウ球菌(Staphylokokkus)
潜伏期間は約3時間と短いのが特徴です。おにぎりや仕出し弁当などを食べた後に、吐き気やおう吐、腹痛、下痢がみられます。化膿(多くは黄色ブドウ球菌による)した傷のある手で食材に触れることにより感染します。黄色ブドウ球菌は増殖の際、加熱しても壊れないエンテロトキシン(腸毒素)を作ります。このため、加熱で殺菌することはできません。

● ボツリヌス菌(Botulinusbazille)
ボツリヌス菌は土の中や海・湖・川の底の泥砂に生息する嫌気性(酸素を嫌う)の細菌で、熱に対して非常に強い「芽胞(がほう)」を作ります。潜伏期間は8〜36時間で、吐き気やおう吐に加え、視力障害・嚥下(えんげ)障害・視力異常などの神経症状を伴う「ボツリヌス食中毒」を発症します。

● 腸炎ビブリオ菌(Vibrio)
潜伏期間は約12時間で、小腸に感染するため、上腹部に激しい痛みがみられます。腸炎ビブリオ菌は海水中に生息し、魚介類を介してヒトに感染します。20度以上で増殖が活発となるため、海水温度が上がる夏の生魚は要注意です。

主な夏の食中毒と症状

病原性大腸菌による下痢

● 病原性(下痢原性)大腸菌とは?
私たちの腸管に生息している大腸菌に病原性はありませんが、ヒトに対して強い病原性を持つ大腸菌を「病原性大腸菌」(または下痢原性大腸菌)と呼びます。日本ではO157が有名です。

● 強力な感染力
感染力が非常に強く、汚染された食品を口にしたり、菌で汚染されたものに触れた手で調理することで、感染が広がります。発病者の下痢が止まっても、しばらくは便中に排菌が続きます。感染はしたけれど発症しない 「無症状病原体保有者」からも便中への排菌はあるので、同様に2次感染への注意が必要です。

病原性大腸菌の種類と症状

下痢の治療と予防

● 下痢の治療
夏の下痢の原因は様々です。「下痢」は腸の中の悪いものを早く排泄してしまおうとする生体防御的な反応でもあり、すべての症状に止痢薬を用いて下痢を止めてしまえば良いというものではありません。原因によって対処法が異なりますので、症状がおかしいと感じたら、最寄りの医療機関を早めに受診しましょう。

● 夏の下痢の予防
食前・調理前の手洗いを徹底し、暴飲暴食を避け、十分な睡眠を取って免疫力を高めることが基本です。室内のエアコン温度は冷え過ぎないように調整します。就寝時はお腹にタオルケットなどを掛けるようにしましょう。生野菜はしっかりと洗い、食肉は中心部まで十分に加熱します。缶詰が膨張していたり、真空パックの中身から酸っぱい臭いがするようであれば、廃棄しましょう。発展途上国の観光地を訪れる際は、生水は口にしないようにしましょう。

 
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馬場恒春 内科医師、医学博士、元福島医大助教授。 ザビーネ夫人がノイゲバウア馬場内科クリニックを開設 (Oststraße 51, Tel. 0152-05412673)、著者は同分院 (Prinzenallee 19) で診療。

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