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Fr. 24. Nov. 2017

ドクターの診察室
ドクターの診察室: 健康に関する悩み・質問にDr. 馬場が答えます!

エボラ出血熱に関するQ&A

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西アフリカで流行中のエボラ出血熱が、欧州にも広まらないか心配です。エボラ出血熱について、詳しく教えてください。また、アフリカへの旅行は大丈夫でしょうか。

Point

  • エボラウイルスによる致死率の高い感染症。
  • 今後も西・中央アフリカで感染拡大の可能性あり。
  • 予防ワクチンはありません。
  • 治療薬は開発段階。
  • 粘危険地域や流行国への接近は控えましょう。

エボラ出血熱とは

● 致死率50%以上のウイルス感染症
エボラ出血熱(ドイツ語: Ebolafieber)は、エボラウイルス(Ebolavirus)による感染症です。1976年に初めて発生し、その罹患者の出身地が中部アフリカのコンゴ(民主共和国、旧ザイール)のエボラ川付近であったことから名付けられました。発症すると、致死率が50~90%という危険な病気です。

● 西アフリカを中心に拡大
今回(2014年)の感染拡大地域は主に西アフリカで、リベリア、シエラレオネ、ギニア、ナイジェリア、セネガルで感染が確認されています。また、コンゴ(民主共和国)でも、西アフリカとは別のウイルス株によるエボラ出血熱が発生しています(9月2日現在、世界保健機構(WHO)報告)。

2014年の感染拡大地域

● 致死率は50%
2014年9月12日時点での患者数は合計4784人、死亡数は2400人超(WHO報告)で、致死率は50%に達しています。1976年発症時の致死率は88%(318 人中280人)で、最も高い数値です。医療関係者の感染も多く、今年はすでに240人以上の医師や看護師が感染し、120人以上が亡くなっています。

● ドイツにおける罹患者
8月末に西アフリカから搬送された患者が、ハンブルク・エッペンドルフの大学病院(UKE)で隔離入院治療を受けています。患者はシエラレオネにあるWHO検査施設で、エボラに関する研究員として働いていました。

感染経路

● 血液や体液を介して感染
患者の血液や汗、分泌物といった体液に直接触れたり、体液が付着した物に触れて、ウイルスが傷のある皮ふや粘膜から体内に入ります。会葬者が遺体に触れるという葬儀の風習も、感染拡大を招いています。

● 動物を介する感染
エボラウイルスに感染したチンパンジーやゴリラ、さらに自然宿主(ウイルスと共生している)と考えられているオオコウモリなどの野生動物に触れて感染することもあります。

● 空気感染や潜伏期の感染はない
食べ物からの感染や空気感染はありません。蚊による媒介もありません。また、発症前の潜伏期(感染してから発症するまでの期間)の患者からの感染はないとされています(米国疾病予防管理センター(CDC)「エボラウイルスに関するQ& A」)。そのため、症状のない潜伏期の感染者が移動中にウイルスを拡散する可能性は低いと考えられています。

症状

● 風邪症状に続く出血
通常は2日~3週間の潜伏期(汚染注射針を介する感染では短く、接触感染では長くなる傾向)に続き、発熱・頭痛・筋肉痛などのインフルエンザと同様の症状で発病します。発症後5日目頃から腹痛・吐き気などの消化器症状が、7~10日目頃から目・耳・鼻・消化管からの出血が現れます。出血は、すべての発症患者にみられるわけではありません。ウイルス感染から死亡に至るまで、長くて約1カ月と言われています。

エボラ出血熱感染後の発症経過

● なぜ出血するのか?
エボラウイルスは、ヒトの細胞を壊す特殊なタンパク質を作ります。このタンパク質が血管のバリアを破壊し、血液成分が血管の外に漏れ出します。血液を固める止血機能も停止し、血が止まりにくくなります。

● 感染拡大の背景
流行地域の衛生状態、脆弱な医療設備、住民の知識不足、葬儀の風習、隔離されることへの不安、外国人医師の活動に対する不信感などが挙げられます。

流行地域への渡航は?

● 渡航の自制と退避
日本の外務省はエボラ出血熱の流行地域について、「出国できなくなる可能性及び現地で十分な医療が受けられなくなる可能性がある」との理由から、渡航の自制とともに、在留邦人に対しては、早めの退避の検討を促しています。

● 流行地域からの帰国
空港検疫所の指示に従ってください。流行地域からの帰国後3週間以内に発熱・頭痛などの症状で医療機関を受診する際は、流行地に滞在していた旨を伝えてください。

● アフリカ大陸全域が危険なわけではない
政情不安の可能性がある国を除くと、観光旅行者の多いアフリカ南部の南アフリカや東南部のケニア、タンザニア、北西部のモロッコなどは、今回の発生国とは離れているため、渡航制限は特にありません。

エボラ出血熱の治療

● 予防ワクチンや治療薬はなし
エボラ出血熱の予防ワクチンや治療薬は存在せず、治療は対症療法のみです。

開発中・検討中の治療薬やワクチン

予防についての基礎知識

● 危険地域には近付かない
感染拡大が確認されている地域(国)の近隣諸国への出張などを予定されている方は、直前の感染状況の情報に十分注意してください。

● 感染リスクの高い人
①エボラ出血熱患者を治療する医療従事者、②エボラ出血熱患者の家族や患者本人と接触する機会があった人、③エボラ出血熱患者の葬儀に参列し、遺体と接触した人、④危険地域の野生動物の死体に触れる可能性のある人。

● 正しい知識が大切
風評にとらわれることなく、正しい知識と情報を得ることが大切です。日本の外務省「海外安全ホームページ」、厚生労働省、英語ではWHO、CDC、ドイツ語ではロベルトコッホ研究所(RKI)などのウェブサイトから、信頼できる情報が得られます。

エボラ出血熱―状況把握に役立つウェブサイト

 
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馬場恒春 内科医師、医学博士、元福島医大助教授。 ザビーネ夫人がノイゲバウア馬場内科クリニックを開設 (Oststraße 51, Tel. 0152-05412673)、著者は同分院 (Prinzenallee 19) で診療。

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