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Di. 12. Dez. 2017

ぶどう畑の土壌 5 変成岩と火成岩

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この章では、岩石が熱や圧力などの影響でさらに堅固になった変成岩、マグマが固まってできた火成岩をご紹介し、土壌解説を締め括りたいと思います。

●変成岩

ライン川流域やモーゼル川流域には、デヴォン紀(4億年前)の粘土など、海底堆積物が岩石化した粘板岩(シーファー / Schiefer)が見られます。粘板岩に特徴的な灰青色は、堆積の際の有機物に起因しています。粘板岩は、このような堆積物から形成されたシルト岩などが、高温化や圧力作用を幾度も経て板状になったもので、状態によって堆積岩に分類されたり、変成岩に分類されたりします。粘板岩は主に石英、雲母、緑泥石といった鉱物から成り、鉄分、カリウム、マグネシウムを豊富に含みますが、石灰分は含有しません。また、非常に風化しやすい岩石で、水はけが良く、保水力がほとんどありません。通気性に優れ、熱を蓄えやすいものの、ぶとうにとっては根を張るのが困難な土壌です。

片岩(シスト)は、ドイツではグリマーシーファー(Glimmerschiefer)と呼ばれる、粘板岩よりも変成の進んだ岩石です。グリマーとは雲母のことで、片理と呼ばれる構造ゆえ、平行に剥がれやすくなっています。グリマーシーファーはフランケン地方などに部分的に存在しますが、ドイツよりもオーストリア、スイスのアルプス地方に多く見られます。

千枚岩(フィリット / Phyllit)は、ラインガウ地方などで見られる古い岩石の1つ。4億5000万年前のオルドビス紀に形成されたといわれています。海岸沿いの粘土の堆積が隆起の際に深い谷に沈んで折り畳まれ、重みで粘板岩状になったもので、やはり雲母などの鉱物から成り、さらに変成が進むと片岩あるいは片麻岩(グナイス / Gneis)になります。千枚岩も粘板岩と同じ性質を持ち、石灰分は含有しませんが、適度なミネラル分を含んでいます。

珪岩(クワツィット / Quarzit)は、ラインガウ地方、ラインヘッセン地方、ナーエ地方に見られます。デヴォン紀の砂状の堆積土壌が砂岩となり、その後強い圧力を受けて変成したもので、ほとんどが石英から成っています。水はけの良さは中くらい、保水力もあまりありません。しかし通気性が良く、熱を素早く蓄積します。珪岩も石灰分を含有せず、ミネラル分は少なめです。

●火成岩

ドイツのぶどう畑には火成岩土壌も多く、中でもよく知られているのがアール、ミッテルライン、 そしてバーデン地方のカイザーシュトゥールです。

火成岩のうち、マグマがゆっくりと冷却固結したものを深成岩といいます。ラインガウ地方、ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地方、プファルツ地方、ザクセン地方で見られる花崗岩(グラニット / Granit)は深成岩に分類されます。変成岩とほぼ同様の特徴を持ち、水はけが良く、保水力がなく、通気性に優れ、熱を蓄えますが、根付きにくい土壌です。石灰分はなく、ミネラル分のポテンシャルは中くらいです。ナーエ地方などで見られる斑岩(ポルフィル / Porphyr)も、火成岩の1つです。

 
Weingut Schäfer-Fröhlich
シェーファー・フレーリヒ醸造所(ナーエ地方)

 

ツィアアイゼン一家
ナーエ地方ボッケナウにある家族経営の醸造所。醸造所の伝統は200年を越えるが、ハンス&カリン・フレーリヒ夫妻が現在の醸造所の礎を築いたのは1970年代のこと。2.5ヘクタールからスタートしたぶどう畑は、現在では17.5ヘクタールに拡大。1995年からは息子のティムが醸造を担当、ティムの妻ニコルと妹のマイケ・ペーターが販売業務を担当している。栽培品種の約75%はリースリング。ボッケナウのフェルゼンエックに6ヘクタールを所有。岩石の多い急斜面の特級畑(VDP格付)で、主にデボン紀のスレート岩、珪岩、火成岩の一種である玄武岩で構成される。醸造所の顔であるフェルゼンエックのリースリングは、辛口のみならず極甘口も評価が高い。ティム・フレーリヒは2010年の「ゴー・ミヨ・ドイツワインガイド」で最優秀醸造家賞を受賞している。

 

Weingut Schäfer-Fröhlich
Schulstraße 6, 55595 Bockenau
Tel. 06758-6521
www.weingut-schaefer-froehlich.de


2011 „Schiefergestein“ Bockenauer Riesling trocken
2011年「シーファーゲシュタイン」ボッケナウアー・リースリング
辛口 16.00€(完売)
※2012年ヴィンテージは4月中旬より発売  17.50€

 

2009年 シューレン・ブラウエ・シュペートブルグンダー
ナーエ地方はあらゆる岩石の標本箱のような土地。ティム・フレーリヒは土壌の多様性を最大限に表現するワイン造りに挑んでいるが、注目したいのが、デボン紀シーファーの風化土壌の特徴が活かされたボッケナウのオルツワイン(村名ワイン)であるこのリースリング。オルツワインとはいえ、ぶどうはすべて特級畑フェルゼンエックのもの。つまり、この畑のぶどうからはグローセス・ゲヴェックス(VDP格付の最高級辛口ワイン)が造られているが、この軽快な「Schiefergestein」(スレート岩)は、若木のぶどうだけを選別し、醸造したものだ。ミネラリッシュなトーンに、熟れた果実味が重なる魅力的なワイン。辛口のほか、カビネットもリリースされている。

 

 
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岩本順子(いわもとじゅんこ) 翻訳者、ライター。ハンブルク在住。ドイツとブラジルを往復しながら、主に両国の食生活、ワイン造り、生活習慣などを取材中。著書に「おいしいワインが出来た!」(講談社文庫)、「ドイツワイン、偉大なる造り手たちの肖像」(新宿書房)他。www.junkoiwamoto.com
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