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クンストホーフパサージュ

パサージュとは、いわば通り抜けできるアーケード街で、パリのパサージュにおいては時間が止まったかのようなレトロな小空間が魅力です。また、ベルリンにあるハーケッシャー・ホーフはすでに観光地になっているほど有名ですが、ここドレスデンでも、ミニ開発が行われた一角にパサージュと名のつくものが増えつつあります。

その地区が持つ性格から、私が個人的に「ドレスデンのソーホー」と名付けているオイセレ・ノイシュタット(Ä ußere Neus ta dt)にあるクンストホーフパサージュ(KunsthofPassage)は1997年にオープンしました。ドレスデンで初めて明確なコンセプトを持つパサージュとして誕生しましたが、今日まで活気が失われることなく、人気No.1のパサージュとして市民に愛され続け、観光客も多く訪れています。

クンストホーフパサージュはアラウン通りとゴーリッツァー通りに挟まれており、5つのホーフ(中庭)から構成されています。建物の上階部分は住宅ですが、ホーフの小道に面してレストランやカフェ、小洒落た文房具屋やアクセサリーの店、木のおもちゃの店、アンティーク屋、本屋、バレエ・スタジオなどがあります。

このパサージュの1番の特徴はテーマごとに分かれた5つのホーフで、「色」「光」「エレメント」「変化」「動物」という具合に名前が付いています。それぞれのホーフは異なるアーティストによってデザインされ、各アーティストの腕が存分に披露されています。「動物のホーフ」では、小さな池の真ん中に鎮座する牛や壁に描かれた巨大なキリンに出迎えられます。そして、狭い通路を通り抜けるといきなり現れる真っ青な壁と、そこに取り付けられたブリキ缶のような遊び心たっぷりの雨樋には度肝を抜かれます。雨が降らないとその効果が見られないと思いきや、30分ごとに水が流れる仕掛けになっているので「雨樋を落ちる水」という普段は見過ごしがちな風景を楽しむことができます。

クンストホーフパサージュ
エレメントのホーフ。落ちる雨水を華麗に演出する雨樋

そして振り向けば黄色い壁が波打ち、その建物の通路を抜けると水色の壁に囲まれた「光のホーフ」。そしてさらに狭く蛇行する坂道を下ると、細長い「色のホーフ」が続いています。このように、何かに誘われるように歩いて行くとびっくり箱のようにめくるめくホーフが展開していきます。地道にコツコツと作ったような手作り感溢れるホーフの表情が心地良く、どのお店もチャーミングで一軒一軒のぞいてみたくなります。表通りにある、青い空を飛ぶ牛の看板が目印です。

www.kunsthof-dresden.de

クンストホーフパサージュ
光のホーフ。水色に囲まれるとふわりと浮く感覚になります

クンストホーフパサージュ
動物のホーフ。躍動感溢れる巨大なキリンや猿、鳥

福田陽子さん福田陽子
横浜出身。2005年からドレスデン在住。ドイツ人建築家の夫と娘と4人暮らしの建築ジャーナリスト。好奇心が向くままブログ「monster studio」公開中。
http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/
 
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