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ブンテ・レプブリク・ノイシュタット

一瞬、連邦共和国(Bundesrepublik)と関係があるのかと勘違いしそうな名前の「ブンテ・レプブリク・ノイシュタット(Bunte Republik Neustadt)」は、オイセレ・ノイシュタット(Äußere Neustadt)地区で1年に一度、マルチカルチャーを謳って行なわれるお祭りで、毎回厳重な警備体制が敷かれるほどの人出で賑わいます。今年は6月15~18日に開催されました。

あちこちに特設ステージが設置され、音楽に溢れる会場一帯。中でもタール通り(Talstraße)では、子どもたちのためのイベントが多く催されました。通りの中央にある公園には大きなテントが張られ、ラグが敷き詰められてサーカス会場に。「子どもサーカス(Kiderzirkus)」と銘打ち、いくつかの団体が公演スケジュールに名を連ねました。各団体の出演時間が近付くと、テントの中は満員で熱気ムンムン。私たち家族は運良く席を確保でき、幼い娘2人はその雰囲気に魅了されていたようです。

ドレスデン
目の前で繰り広げられるアクロバットに、観客も手に汗

一般的に、巡業サーカスの大型テントでは布1枚隔てて別世界が繰り広げられ、まるで魔法にかかったかのような気分になりますが、この子どもサーカスのテントでもその効果が十分に出ていました。黒いスーツと帽子姿のひょろっと背の高い痩せた男性と、羽が付いたグリーンの衣装に身を包んだふくよかな女性はいわばピエロ役で、登場すると同時に観客席からどっと笑いが起こり、オープニングを盛り上げました。

また、男女のペアが行なうアクロバットはまさに筋肉とバランスの妙技で、観客の目は釘付けに。さらに、テントの外でも玉乗りをしながらフラフープをまわして拍手喝采を浴びている男の子や、似顔絵を描く男の子、チェロを演奏する女の子など、子どもたちが思い思いに日頃の練習の成果を披露していました。

出店やイベントへの参加には事前申し込みが必要で、場所も割り当てられるのですが、タール通りには住宅しかなく、自宅前にいるような感覚で気軽に参加できるという理由からでしょうか、通りにはソファーやテレビまで運び出されていました。加えてゲームや子ども用メイクアップのスタンド、子ども蚤の市などが所狭しと並び、普段の閑散とした道路からは一転。その混沌とした居心地の良さは格別でした。一方、それとは対照的に、この通りから少し離れた場所からは爆音のような音楽が聞こえ、その振動が伝わってきました。ものすごいエネルギーが集まり、炸裂する場にいたいという欲求が、多くの人々をこのお祭り会場へと引き付けているのかもしれません。

ドレスデン
玉乗りをしながらフラフープをまわす少年

福田陽子さん福田陽子
横浜出身。2005年からドレスデン在住。ドイツ人建築家の夫と娘と4人暮らしの建築ジャーナリスト。好奇心が向くままブログ「monster studio」公開中。
http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/
 
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