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巨大フードコートCafé Prag

昨年末、ドイツ最古のクリスマス・マーケットが開催されるドレスデンのマルクト広場に面して、巨大なフードコーナー「Café Prag」が改修工事を経てリニューアルオープンしました。広々としたスペースと明るくモダンなインテリアが特徴で、ペパーミントグリーン色が印象的なガラスのモザイクが施された入り口の柱や、曲線が美しい中央階段、大きな絵画が過去の記憶として残されています。

Café Prag
曲線が美しい大階段が、かつてのカフェ文化を伝えている

この建物の前身は、1956年にオープンした同名のカフェ。レストランのほかにダンスフロアや独自のモカ・バーを備えた、東ドイツで最も有名なカフェの1つでした。名前の由来には往々にして秘話がありますが、この年にドレスデン市がザクセン新聞上で公募し、集まった436の候補の中から選ばれました。そして決定した名前の考案者は、現在89歳のインゲボルグさん。写真でしか見たことがないけれど、プラハという街に好奇心がそそられたこと、そしてご主人の出身地がチェコということが、名付けの理由だったそうです。ドレスデン市からは感謝状が届き、それを58年間保存してきました。そのご縁で、インゲボルグさんご夫妻は結婚式も銀婚式もカフェ・プラハで祝いましたが、2008年の金婚式は閉鎖中のために叶いませんでした。今年の夏には、ご自身の90歳の誕生日をここで祝う予定だそうです。

そのように愛されたカフェ・プラハでしたが、ドイツ統一後はイタリア料理店となり、その後は所有者が何度か変わり、長らく閉鎖される不遇の時代が続きました。2006年のドレスデン市誕生800周年を契機に市内中心部の整備や建て替え、改修が加速し、観光客も増加の一途をたどります。その都市整備の一環として計画されたカフェ・プラハは、歴史を内包しつつ現代に生かしている好例と言えます。

往年の写真からは、吹き抜けのある広々とした以前の内観がうかがわれます。その空間をそのままに、後方を増築し、大空間に各国料理店のスタンドを入れるという方法で、かつての雰囲気を残しています。

その端には、日本食Gotembaが入っています。名前は、ご主人の塙貴光さんがドイツ人の奥様と出会った場所である御殿場に因んでいます。塙さんは、以前勤務していた御殿場の乗馬クラブでインストラクターとして来日していた奥様と出会って渡独。ドレスデン市内の日本料理店でゼロから料理を学び、カフェ・プラハのオープンに際して自身の店を構えました。リーズナブルな価格のメニューと塙さんの人柄が受け、早くも日本人はもちろん、多くのドイツ人や観光客で賑わっています。

www.markthalle-cafe-prag.de

日本食Gotemba
日本食Gotembaとご主人の塙さん

 
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