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Di. 01. Dez. 2020

「まず人間として」をモットーに 宗教を越えた平和コンサート

ドレスデンといえば「西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者(Pegida)」が毎週月曜日にデモ行進をする排外主義のイメージばかりが先行し、「よくそのような所に住めますね」とドイツ人に驚かれることもしばしば。しかし、昨年から顕著になった難民の流入による混乱や人々の不安、緊張感に対して、何か行動を起こすべきだという空気もあります。その一つが「相互宗教平和コンサート」です。2015年にスタートし、今年9 月18日には十字架教会で第2回目が開催されました。

このコンサートの主催者の一員であるザクセン州ベトナム仏教文化センターのハインツ=ヨルグ・ディリンガー氏、およびシュターツ・カペレ・ドレスデン所属のオーボエ奏者、セバスティアン・ルーミッシュ氏にお会いし、趣旨を説明していただきまきました。主催者はドレスデン相互宗教協会、通称BIRDで、仏教、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教、ヒンドゥー教、シーク教など、あらゆる宗教信仰者から構成されています。このコンサートのモットーは「まず人間として-音楽による結びつき(Zuerst Mensch – In Musik vereint)」であり、宗教や人種から相手を見るのではなく、まずその人を一人の人間としてみましょう、という明白な意思を提示しています。何よりも出演者は無報酬、そして入場料も無料。主催者側と共演者はこのコンサートを通し、オープンで多様性のあるドレスデンを世界に示し、異なる宗教や世界観に対して偏見がなくなることを望んでいるとのことです。

平和コンサート
それぞれの民族衣装を着た参加者全員による最後の舞台挨拶

司会者は俳優のトム・パウル氏が担当。ドレスデン・フィルハーモニー、シュターツ・カペレ・ドレスデンなどドレスデンを代表するオーケストラが参加し、指揮者はドレスデン音大の元学長のエッケハート・クレム氏です。おなじみのハイドンの天地創造から始まり、主催者でもあるルーミッシュ氏作曲の「Ave Pax」で中東の風が吹き始めます。そしてユダヤやアラビアのメロディーが中東出身の音楽家によって奏でられ、ユダヤ人オーボエ奏者とパレスチナ難民のデュエットによる演奏、アラビアおよび仏教的な音色に編曲されたバッハの曲……というようにプログラムは進んでいきました。欧州のクラシック音楽や英米のポップ音楽に慣れた耳には、中東やユダヤの音楽はなじみがないのですが、哀愁と情熱を伴うメロディーには揺さぶられるものがあり、会場は大喝采となりました。ドレスデンに暮らす難民によるコーラスの参加もハイライトの一つ。最後の曲のテノールのソロでは以前ご紹介した車田和寿氏の歌声が響きました。

平和コンサート
司会の俳優パウル氏。飄々とした語り口で進行

このコンサートは、何かを一緒に行うという行動としてはゴールであり、今現在の問題解決に向けてのスタートであり、同時に次につなげていく通過点でもあります。続けることは何かを動かしていく力になり得ます。それを信じて、第3回目を期待したいです。

BIRD: www.bird-dresden.de

福田陽子さん福田陽子
横浜出身。2005年からドレスデン在住。ドイツ人建築家の夫と娘と4人暮らしの建築ジャーナリスト。好奇心が向くままブログ「monster studio」公開中。
http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/
 
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