初夏から夏にかけて天候が良く、過ごしやすくなるドイツ。屋外スポーツもベストシーズンのため、デュッセルドルフでもマラソン大会が開かれたり、ライン川でカヌーやボートを漕ぐ人が増えたりと、スポーツに勤しむ人を多く見かける季節でもあります。
会場となる屋内競技場。2024年の来場者は8000人だったそうで、今年も午後には家族連れで溢れかえっていました
子を持つ親としては、そんな人たちのように自分の子どもにもスポーツに親しんでもらいたい。でも、その子の興味や適性に合う競技をどうやって見つけたらいいのだろう。そんな思いや悩みを抱える人は多いかもしれません。まさに私もその一人で、いろいろと探しているなかで見つけたのが、今回ご紹介する子ども向けスポーツ体験イベント「Kids in Action」でした。
5月末に開催されたこのイベントはデュッセルドルフ市主催で、子どもの運動習慣の改善やスポーツの定着、才能の発掘支援を目的とするプロジェクトの一貫とのこと。1〜5年生が対象で、参加費はなんと無料!デュッセルドルフのアリーナに隣接する、総面積9万5000平方メートルのアリーナ・スポーツパークを会場に、屋内外合わせて45種類のプログラムが用意されています。ここで子どもたちは興味のあるスポーツを体験したり、専門家のアドバイスを受けたりすることができるのです。
デュッセルドルフ市スポーツ課主催のスポーツイベントポスター。老若男女問わずスポーツに親しめるイベントが頻繁に開催されています
実は、このイベントに参加するのは今回で2度目。昨年、娘が小1のときに初めて参加し、最も気に入った乗馬は実際に短期コースに通ったりもしました。イベント自体も楽しんでいたので、親子で「来年も行こう!」と話していたのです。
何よりも魅力なのが、体験できるスポーツの種類の多さ。サッカー、ハンドボール、ホッケー、柔道、陸上などのオリンピックスポーツに加え、バトミントンならぬクロスミントンや、自転車を用いるサイクルサッカー、ブラジル発祥の格闘技カポエイラなど、あまり聞きなじみのないスポーツまでそろっています。カヌーやボート、ウィンドサーフィンなどのウォータースポーツも充実しているのは、ライン川を擁するデュッセルドルフならではかもしれません。
ボートクラブのブース。エルゴメーターと呼ばれるトレーニングマシンを体験できるそうで、順番待ちの行列ができていました
娘は一緒に参加した友だちと「自転車乗ってみよう!」「次は高跳びしよう!」と言い合いながら、身構えることなくさまざまなスポーツを試していました。実際に習い事につながるかどうかは分からないものの、貴重な経験となったことは間違いありません。
ドイツでは日本のように中学校や高校に部活がないからこそ、多様なスポーツを気軽に体験できる今回のようなイベントの意義はとても大きいと思います。1年に1度の開催ではありますが、興味を持った方はぜひ来年参加してみてください。
日本の食品小売業界で働いた後、2014年に渡独。ハレ、ハンブルク、ボーフムと移り住み、現在はデュッセルドルフに夫と2人の娘と暮らす。趣味はオーガニックスーパーめぐり。
Instagram:@momococo_relife