JAL
Di. 07. Dez. 2021

ローマ帝国の城砦リーメス

フランクフルトの北西約20キロ、タウヌスの緑豊かな丘陵に、石壁で囲まれた古代ローマの城砦ザールブルク(Römerkastell Saalburg)があります。ローマ帝国時代の紀元1世紀末、北から侵入してくるゲルマン民族などの敵からライン川やマイン川周辺の肥沃な土地を守るため、リーメスと呼ばれる国境防衛施設が建設されました。砦や監視塔、防御壁が続くリーメスは、ライン川からドナウ川まで全長550キロ、英国にある長城と共に「ローマ帝国の国境線」としてユネスコの世界遺産に登録されています。その中でもザールブルクは、詳細な研究結果に基づいて忠実に城砦が再建されており、当時の様子を今に伝えています。

フランクフルト
石壁に囲まれた城砦の正面入り口

私が訪れた日には、ちょうど「ローマンマーケット」というイベントが開催されていました。城砦前の広場では、古代ローマの衣装を着た人たちが、粘土を焼いて作るローマのオイルランプや、貨幣のレプリカ、緻密な細工の装身具などを実演販売していました。城砦に入る前から、早くも古代ローマ人たちの生活を想像できてワクワクしてきます。また、城砦前には脱衣所も備えた立派な浴場跡があり、湯船に浸かってドイツの冬を耐え忍んでいた古代ローマ人たちの姿に思いを馳せると、親しみを感じます。

フランクフルト
ローマ人の姿で案内をしてくれた陽気なガイドさんたち

壁に囲まれた城砦内には、兵舎や主庁舎(プリンキピア)、指揮官の住居や穀倉などの建物が完全な形で再現され、一部はここで発掘された出土品などを展示する博物館や、当時のレシピで作った料理を提供するレストランとしても利用されています。この日はローマ時代の衣装が試着できるブースもあり、誰でも気軽にローマ人気分を味わうことができました。「トガ」と呼ばれる男性の正装が人気で、白地に緋色のラインが入った1枚の布を肩から胴に掛け、ドレープを付けて身にまとえば、さながらローマの高官のようでした。

建物の裏には芝と木々に覆われた庭があります。石垣で遊ぶ子どもたちやローマ兵姿でテントを張る愛好会の人たちがおり、ローマ時代の服を着た女性たちは、火をおこして調理し、昼食を食べていました。いにしえの砦も今では緑溢れる穏やかな雰囲気です。またローマ兵の防御術を体験するイベントもあり、古代ローマ時代の様子をより詳しくうかがい知ることができました。

城砦の周りにはリーメスへと続く遊歩道があり、防御壁やミトラ教の神殿などを巡る散歩道としても人気です。古代ローマというと遠い昔の別世界の話という印象を持っていましたが、当時の施設が忠実に再現されているからこそ、鮮明に古代ローマ人の生活が想像でき、より身近に歴史を感じることができました。

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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