先日、ブラウンシュバイクの西部環状地区で開催された「WRG-Talk」というタウンミーティングに参加しました。この街には東西で大きな違いがあり、東側には比較的裕福な層が住む一方、西側には社会的課題が集中しています。WRGとは「西部環状地区」を指し、区長の発表によれば人口は約3万5000人です。その内訳を見ると、一人暮らしや一人親家庭、高齢者が多く、市民手当などの支援を受けている人も少なくありません。失業率や貧困率、移民の割合も高く、特に子どもの貧困率が23%に達しているという数字には強い衝撃を受けました。
助成プログラムの継続を求める人たち
僕がこの集まりに参加したのは、自分たちがこの地区でアート団体「Kunst-Koffer」を運営しているためです。僕たちは社会住宅の中庭を拠点に、無償のアートワークショップを行っています。粘土や画材を積んだリアカーを引き、週に一度、広場の一角で活動を行っています。
今回のタウンミーティングの主な目的は、「Sozialstadt」と呼ばれる都市社会開発支援プログラムの継続を求めることでした。このプログラムは23年前に始まり、地域のコミュニティセンターの設置や職員の人件費の支援に加え、アートや音楽活動、公園整備、イベント運営など多様な取り組みを支えてきました。例えば、移民女性が自転車に乗れるようになるためのワークショップや、血縁関係を超えて高齢者と子どもたちがつながるプログラムなど、ユニークで実践的な活動も生まれています。この日は約200人が集まり、2026年以降の継続を求めて声を上げました。参加していた市議会議員も、前向きに取り組む意向を示していました。
多岐にわたる活動が紹介されました
現在コミュニティセンターで働くスタッフの一人はトルコ出身で、彼女のネットワークを活かし、地域の学校にトルコ料理を給食として届ける取り組みも行われています。ミーティング当日も手作りの温かいトルコ料理や飲み物が振る舞われ、場の雰囲気を和らげていました。移民の多い地域で活動していると、日常的に多様な文化と出会います。私たちが拠点とする社会住宅にも、トルコやアフリカ出身の家族が多く暮らしており、子どもたちの背景も実にさまざまです。
手作りの食べ物
この地区の子どもたちが多様な体験を得られる環境を守るためにも、これまで築かれてきた地域のネットワークが今後も維持・発展していくことが重要です。その意味でも、Sozialstadtの継続を強く願っています。同じ思いを持つ人々と共に声を上げる場に立ち会えたことを、心から意義深く感じました。
神戸のコミュニティメディアで働いた後、2012年ドイツへ移住。現在ブラウンシュバイクで、ドキュメンタリーを中心に映像制作。作品に「ヒバクシャとボクの旅」「なぜ僕がドイツ語を学ぶのか」など。三児の父。
takashikunimoto.net



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