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さまざまな視点と出会える Zinefest Leipzig

本格的にドイツも寒くなって来ましたが、皆さんはどんな冬をお過ごしでしょうか? 今回は11月初旬に開催された「Zinefest Leipzig」(ジンフェスト· ライプツィヒ)についてご紹介します。

「ジン」と聞くと、最初にお酒を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、今回開催されたジンフェストのジンは「ZINE」。Magazine(マガジン)から来ているといわれ、大手出版社などで発行される本ではなく、自分で印刷・製本するような手作りの小冊子やコミック、写真集などをZINEと呼びます。ジンフェストでは、そんなZINEがたくさん集まり、売ったり、買ったり、中には無料で配ったり、ZINE同士を交換するなんてこともあります。

暗くなってからはろうそくをともしました暗くなってからはろうそくをともしました

さて、コロナ禍の影響で多くのアーティストが発表の機会を失い、芸術に関心のある人たちやアーティスト同士のコミュニケーションの場も少なくなってしまっています。そんななか、場所が無いのであれば自分たちで何かやってみようと、私が中心となってZinefest Leipzigを企画することになりました。開催場所は「日本の家」(Das Japanische Haus e.V.)という、ライプツィヒ在住の日本人が空き家をリノベーションして立ち上げた非営利団体です(詳しくは本誌1118号を参照)。私はイベントの企画は未経験ですが、ここでは誰もが新しいことにチャレンジすることができます。

中庭での様子中庭での様子

すでに寒くなってきていましたが、コロナ禍に配慮して中庭で開催することに。開催日の週は雨の日が続いていたので延期も考えましたが、当日は快晴!良い天気に恵まれて、無事に開催することができました。参加してくれた人たちも、本当にさまざまです。中国のZINEを取り扱う本屋さんや、ラテンアメリカの女性を中心としたグループ、ベルリンを中心に活動するアーティストのコレクティブも参加してくれました。はるばるハンブルクからやって来てくれたZINE専門のパブリッシングも。イラストレーションやコミック、グラフィックに限らず、人種の問題を扱っている文章を中心にしたZINEや、新しい男性性について考える小冊子、ダイバーシティーをテーマにしているものなど、テーマもアプローチも多種多様でした。インターネット上では自分に関心のあることのみが提示されるので、なかなか自分にとって心地よい情報の外に出ることは難しいですが、このようなオルタナティブな視点と出会えるのも、リアルで開催されるイベントの良いところだと思います。

日本の家は「暇ジン」というZINEを発行日本の家は「暇ジン」というZINEを発行

参加者の方たちからは、口々に「このような機会を作ってくれてありがとう」と感謝されて、開催して本当に良かったなと感じました。来年もまた開催したいと考えているので、その際には皆さんもぜひお越しください!

福田 真子(ふくだ まこ)
東京都出身。日本で陶芸を勉強した後、2019年からライプツィヒ在住。現在はライプツィヒの大学で博物館学を勉強しながら、ウェブマガジン「ヴァルナブルな人たち」を運営している。
https://vvulnerablepeoplee.wixsite.com/website/magazine
 
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