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文化サロン「コールガルテン」

ライプツィヒ東部に今年9月、カフェにギャラリー&イベントスペースが併設された文化サロン「コールガルテン(Kohlgarten)」が新規オープンしました。オーナーは、1年前にベルリンからライプツィヒに引っ越してきた写真家のラインハルト・ヘニヒ氏。ベルリンで20年近く暮らしていた彼は、大都会の喧噪に嫌気が差し、写真家としての仕事だけでなく、ほかのアーティストの展覧会やコンサートなどの文化・芸術イベントを開催できるカフェを立ち上げようと一念発起し、ライプツィヒへ移り住みました。

オリジナルの装飾モチーフが復元された壁面と、DDR時代の照明を使ったカフェ
オリジナルの装飾モチーフが復元された壁面と、DDR時代の照明を使ったカフェ

コールガルテンの店舗は、その建物が建てられた100年以上前には切手屋として使われていたそうです。その後、花屋や飲料店など、いくつかのテナントが入れ替わり、その度に内装がリニューアルされていきました。さらにその後、建物はしばらく空き家状態となっていましたが、約3年前に建築家とアーティスト3人が買い取り、建物全体を改修して上階の住居を貸し出すようになりました。残った地上階のテナント募集の告知に、ヘニヒ氏が目を付けたのです。

ギャラリー&イベントスペース
カフェに併設されたギャラリー&イベントスペース

ここを文化サロンとして機能させるべく、新しく内装工事を始める前に、壁面を覆っていたベニヤ板を剥がすと、切手屋時代の壁の装飾が部分的にうっすらと現れました。そこで、当時の丁寧な手仕事を塗り潰してしまわずに、写真を撮ってオリジナルのモチーフを復元し、1つずつステンシルで描いていきました。スキップフロアになっている店内の天井は約5mと高く、カウンターやベンチはすべて、鉄道の線路に使われていた古い枕木(まくらぎ)を再利用した手作りの作品です。旧東独(DDR)時代の照明や家具は、ヘニヒ氏が厳選したもので、店内にはいつも1980年代の音楽を中心としたレコードが流れ、レトロな雰囲気が漂っています。

コールガルテンでは、数週間に一度のペースでアートの展示会やインスタレーション、ドキュメンタリー映画の上映会、コンサートなどが行われ、ライプツィヒ東部の新たな文化発信拠点となっています。先日は、パリ在住の日本人アーティスト、斉藤まりこさんによる絵画の展示会とインスタレーションが行われるなど、ヘニヒ氏のネットワークを駆使した国際的なイベントの開催にも積極的で、今後の発展が楽しみです。さらに、ギャラリースペースは本格的なフォトスタジオとしても使用されており、写真家ヘニヒ氏に家族の記念写真の撮影などを依頼することも可能です。

Kohlgartenstraße. 51, 04315 Leipzig
水~土12:00~20:00
※イベント開催時は深夜まで営業
www.facebook.com/KohlgartenBildlaborKaffeeausschank

ミンクス 典子
福岡県生まれ。東京理科大学建築学科修士課程修了後、2003年に渡欧。欧州各地の建築設計事務所に所属し、10年に「ミンクス.アーキテクツ」の活動を開始。11年よりライプツィヒ「日本の家」の共同代表。
www.djh-leipzig.de


 

 
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