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光の祭典 ルミナーレ

4月15~20日、世界最大級の照明見本市 Light+Building に合わせて、光のイベント「ルミナーレ(luminale)」がフランクフルトで開催されました。10回目を迎えた今年は市内だけでなく、近郊の町にも規模を拡大し、計170もの光のショーが行われました。

広範囲におよぶルミナーレの中で、私は今回のメイン会場である植物園パルメンガルテンを中心に、様々な照明芸術を観て回りました。まずは野外ステージの映像作品を鑑賞。ステージ上に光の波が映し出された後、突如空中に満月が浮かび上がります。目を凝らすとステージ前方に透過スクリーンがあり、満月や立方体の花、羽ばたく鳥などの映像が次々に出現。平面に投影しているとは思えない立体感と滑らかな動きは、動画の概念を覆すほど圧倒的でした。

「Tanzende Wasser=踊る水」と題された水と光のアート
「Tanzende Wasser=踊る水」と題された
水と光のアート

普段、憩いの場となっている噴水は、フランスの姉妹都市リヨンのデザイナー、ジャック・フルニエ氏の手により、70個ものLED(発光ダイオード)照明を用いた、動く水と光のアートになっていました。ルナスパークと題された夜の植物園はいつもと違った雰囲気で、うっそうとした木々が作り出す闇が、光の芸術をさらに盛り上げます。

特に印象に残ったのが、温室で展示された照明作品です。スタジオloop.pH が手掛けた電気の木「SonUmbra」は、太陽光発電により発光する繊維で作られ、人を感知して光と音を変化させます。また、スタジオDRIFT によるタンポポ灯「Fragile future Ⅲ」はLED照明と本物のタンポポの綿毛で作られ、自然の美しさを繊細に照らし出してくれます。同じ作者の作品「Flylight」は、個別に制御された160個のガラス管が鑑賞者に反応して光ります。鳥の群れにヒントを得てデザインされたこの作品は、光の点滅をプログラミングしているのではなく、各ガラス管に取り付けられたセンサーが周囲の情報を電気信号に変えてフィードバックすることで、発光パターンを変化させるそうです。

本物のタンポポの綿毛とLED照明を使った作品
本物のタンポポの綿毛とLED照明を使った作品

植物園に近いゲーテ大学の広場では、ベルリン在住のアーティスト、フィリップ・ガイスト氏によって地面や壁、散布された霧に光を投影した作品「Time Drifts」が映写されていました。ダイナミックな光の作品は、鑑賞者をも包み込みます。このように、ルミナーレの期間中は街のあちこちで光を使ったショーが行われていました。

斬新なアイデアと最先端の照明技術を駆使したルミナーレの作品は、私が抱いていた光の概念を一新しました。2年に1度開かれるこのイベント、次回はどんな新技術で私たちを驚かせてくれるのか、楽しみです。

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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