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光と空間を描き出す 日本人画家・青山祐功

10月15日から12月末まで、アジア芸術の普及に力を入れるアジア芸術文化センター(AAC)でドイツや日本で活躍する日本人画家・青山祐功(あおやまたすく)さんの展示会「2 kuu」が開催されています。空間的な広がりや空虚、仏教用語でもある日本語の「空(くう)」から名付けられた今回の展示会は、ドイツ人芸術家ダニエル・シェッフェルさんとの共同展示。二人の芸術家が生み出す「空」の世界が画廊内に広がります。

展示会では2009年から16年までの青山さんの作品が多数展示されています。それぞれに思い入れのある作品だと語る青山さんの言葉通り、1点1点観る者の足を止める不思議な魅力があります。ハッと惹きつけられるような大胆な構図の絵から、淡くおぼろげな光と空気に包まれた絵まで、全ての作品に独特の雰囲気が漂っていました。人物は居てもどこか幻想的で捉えどころがなく、むしろ人物を取り巻く光や空気に目を奪われます。特に最近の作品では光がさらに柔らかく描かれており、光と空気が織りなす夢幻的な空間に引き込まれました。芸術に疎い私でも、青山さんが描き出す「空」の世界をまざまざと感じ取ることができ、その特別な空間に心を奪われました。

青山
自身の作品の前に立つ青山祐功さん(右)とダニエル・シェッフェルさん

さて、フランクフルト近郊に住む青山さんは、市内の教室や自宅アトリエで絵画教室を開いています。昔から絵が苦手な私も参加してみることにしました。鉛筆画から油絵まで学べるそうですが、私は基本のデッサンと色鉛筆の絵に挑戦しました。まずは白い球体を素描します。画材の使い方など技術的なことから、光と影が生み出す物体の見方も学べ、線を重ねて形を生み出す面白さを実感しました。色鉛筆画では、塗り絵のように1色で色を埋めるのではなく、違った色を合わせて形を生み出していく過程に、それまでの色の概念が変わりました。たった4時間で、人生初の本格的な絵を2作品も描くことができました。親子でも参加でき、題材と画法の要望も聞いてくれるそうです。基本的に1回で完結するレッスンなので、気軽に参加できるのも魅力です。

絵画教室<
2 kuu展開催中のAAC画廊内で開かれた絵画教室

青山さんはさらに12月2日から22日まで、フランクフルトの市庁舎ホールで開かれている「第94回芸術家クリスマス市」にも参加しています。冒頭の「2 kuu」展と併せて、年末の気忙しさを忘れさせてくれる素晴らしい光と空間の世界へ、足を運んでみてはいかがでしょうか。

青山 祐功: www.tasukuaoyama.com

2 kuu展: www.aac-frankfurt.com

芸術家クリスマス市: https://goo.gl/IW9YAt

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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