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Sa. 13. Aug. 2022

ハ-ゲンベック動物園 その明と暗

先日、会社の遠足でハーゲンベック動物園に行くことになりました。「なぜ動物園?」と同僚たちはざわついていましたが(笑)、当日の天気は晴れ。トロピカルな植物のある風景も素晴らしく、みんな童心に帰って楽しんでいました。

かわいいペンギンたちかわいいペンギンたち

ハーゲンベック動物園は、ハンブルク市の中心部から近く、地下鉄の駅のすぐ目の前。約25ヘクタールの広大な土地に、1850余りの動物たちが住んでいます。水を張った堀に囲まれているので、動物たちはそれぞれの展示区画からは出られませんが、自由に動き回っています。遠くから眺めると堀が視界に入らないので、数種の動物たちが共存する生息地を再現したパノラマ風景が楽しめるのです。この檻のない展示方法は1896年に2代目カール· ハ-ゲンベックが考案し、後に世界各地の動物園にも多大な影響を与えました。

創業100年以上のこの動物園は、現在に至るまでハ-ゲンベック一族が運営。始まりは1848年、魚屋だったカール· ハ-ゲンベックは、エルベ川の漁師が捕まえた6頭のアザラシを、ハンブルク市サンクトパウリの広場で展示するという商売を始めました。それが大盛況で1863年には動物販売の店を開き、珍獣売買と展示で有名に。その後、まだ21歳だった長男カールが後を継ぎ、店を世界的規模に拡大。そして1907年、ついにハ-ゲンベック動物園をオープンしました。

パノラマ風景が美しいパノラマ風景が美しい

しかし残念ながらこの後、ハ-ゲンベック一族の負のエピソードが始まります。成功したカールが次に行ったのは「人間動物園」でした。サモア人や北欧の少数民族サーミ人などを連れて来て展示したのです。この人種差別や植民地主義に基づいた人間動物園は、悲しいことに19世紀後半に欧米各国で人気を集めました。写真が普及していない当時、ハンブルクの「人間動物園」は珍しがられて多くの観客が訪れたといいます。やがて写真の普及によりハーゲンベックの展示と現実の違いが知られ、また人道的な観点からも廃れていきます。冒険家で野心家のカールは、毒蛇に噛まれてあっけなくその人生の幕を閉じました。

そして現在の動物園ですが、北極、南極の風景が再現された約8000平方メートルの展示区画「氷の海」では、ホッキョクグマ、アザラシ、セイウチ、ペンギンなどが生活。長さ750メートルの地下へと続く道を歩きながら、巨大な水槽の中で泳ぎ回るセイウチやペンギンを間近に見ることができました。ちなみに、ここでかつて暮らしていたセイウチのアンティエ(2003年没)は、北ドイツ放送局(NDR)のゆるキャラに採用され、ハンブルクの人々に長く愛されました。

こっち向いて! ゾウさんこっち向いて! ゾウさん

また2007年に開館した熱帯水族館は、600種の両生類、200種の爬虫類、熱帯魚などがいて、熱帯地方の雰囲気を楽しめます。特に巨大サメは迫力満点!かわいいキツネザルもいます。5月にはトラの赤ちゃんが生まれたとか。夏休みの遠足にいかがでしょうか?

岡本 黄子(おかもと きこ)
ハンブルグ郊外のヴェーデル市在住。ドイツ在住38年。現地幼稚園で保育士として働いている。好きなことは、カリグラフィー、お散歩、ケーキ作り、映画鑑賞。定年に向けて、第二の人生を模索中。

 
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