Hanacell

広島被爆者証言の会

3月11日に日本を襲った地震と津波、それに続く原発事故は、日本人だけでなく、ドイツ人をも震撼させました。それに先立つ2月24日、ハンブルク大学構内にて「広島被爆者証言の会」が行われました。この会は、ヤング・パグウォッシュ・ハンブルク(軍事と安全政策に関する学生会)とBANg(ヨーロッパ・核廃絶ユース・ネットワーク)、ZNF(ハンブルク大学の平和科学研究センター)が共同で企画したものです。日本の核廃絶青年グループ、リング・リングゼロ実行委員会を通じ、日本被爆者団体協議会より被爆者を招へいして行われました。

会場には、100名ほどの大学生に混じって数人の日本人の姿も見られました。まず初めに、英語による12分ほどの当時の記録フィルムが上映され、その後、10歳の時に被爆された山田玲子さんが、ご自分の体験とこれまでの生活の様子を話してくださいました。彼女は、原爆はその殺傷力という点で、爆発自体も恐ろしいけれども、被爆したことで後々病気になったり、自分自身に影響が見られなかったとしても、後から生まれた子どもに影響が出たりしていることを伝えた上で、「65年経った今でも人々を苦しめ続ける恐ろしい核兵器は、絶対になくさなくてはならない。No more Hiroshima, no more Nagasaki, no more war」と訴えました。

山田さんと通訳の方
証言してくださった山田さん(左)と通訳の方

被爆者は身体にも心にも大きな傷を負い、その後も被爆者であるという理由で結婚できないなどの差別を受けてきたそうです。証言の後に質疑応答が行われ、「そんな辛い体験を、思い出すだけでも苦痛だと思うのに、語ってくださり、ありがとうございました。その勇気はどこから来るのですか?」という質問に、「原爆の恐ろしさを伝え、このような被害が2度と起こらないようにして欲しいと願うからです」と答えていました。「被爆者たちはもう高齢になっています。私たちに残された時間は多くありません。だから今日、これほど多くの若者たちが来てくれたことを大変嬉しく思います。今日この話を聞いた方々は、これから語り継ぐ人になってください」と締めくくりました。

大勢の人々
会場に集まった大勢の人々

原爆のことも、今回の地震・津波、原発事故のことも、その時は大騒ぎしても、当事者でない限り、時と共に忘れ、 同じことを繰り返す人間の弱さを感じます。でも、このままでは人間はいつか破滅を招いてしまいます。被害に遭われた方々の思いを、自分の身に起こっ たこととして受け留め、この課題を真剣に考えなくてはならないと思う今日この頃です。

井野さん井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
 
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