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ドイツの車の歴史が分かる!メルセデス・ベンツ博物館 

シュトゥットガルトといえば、メルセデス・ベンツをはじめ、ダイムラーやポルシェといった名だたるドイツの自動車メーカーの拠点があります。2006年5月19日には、メルセデス通りにメルセデス・ベンツ博物館が設立されました。1万6500平方メートルのスペースを有するこの博物館には、1500を超える展示品と160台の車両が収納されています。

らせん状にフロアを降りていくと、名車たちが出迎えてくれますらせん状にフロアを降りていくと、名車たちが出迎えてくれます

館内中央にあるエレベーターは、ぽってりと丸くちょっぴり古い1950年台のミッレミリアの車両を思わせるような形をしていて、それでいて未来をも感じさせる不思議なデザイン。このエレベーターで最上フロアに移動すれば、時代は130年以上さかのぼり、モーターエンジンの初期の時代の車両展示が始まります。そこから九つのフロアを順に降りていくことで、メルセデスの車の軌跡を学ぶことができるのです。

ぜひお目にかかりたいのは、おそらく車好きなら嫌いな人はいないと思われる名車300SL。1952年にデビューしてから、年がたつほどにその魅力が増しているように思うのはきっと私だけではないでしょう。ドイツの車デザイナー、フリードリッヒ・ガイガーが手がけたデザインで、外見だけでなくインテリアまでも完璧なほどに美しい仕上がりです。

美しい300SLのガルウイングドア美しい300SLのガルウイングドア

この300SLは美しいだけでなく、機能性も持ち合わせていることも驚きです。300SLの300はエンジン排気量で、SLはドイツ語のSuper Leicht、つまり超軽量を意味しています。1952年5月、イタリア伝統の公道レース、ミッレミリアに初めて姿を現した300SLは、ガルウイングドア(カモメの翼のような形のはね上げて開けるドア)を採用した先進的なデザインと高性能で、たちまち世界中の注目を集めました。レースの成績も素晴らしく、年内のル・マン24時間レースを含む四つのスポーツカーレースで勝利。車両重量は868キロで最高速度は毎時258キロメートルだったそうです。

さて、そんな300SLのラジエーター中央にもあるメルセデス・ベンツのエンブレム「スリーポインテッド・スター」。通常はシュトゥットガルト中央駅の塔の上にこの大きな星が回転しているのですが、シュトゥットガルト駅の大規模改修工事プロジェクト「シュトゥットガルト21」のために、現在このオブジェはメルセデス・ベンツ博物館の横の敷地内に設置されています。工事が完了する2025年にはまた駅の上に戻される予定なので、シュトゥットガルト中央駅のスリーポインテッド・スターを地上で見られるのは期間限定です。

中央駅のスリーポインテッド・スターは今ここに中央駅のスリーポインテッド・スターは今ここに

車好きでなくても存分に楽しめるメルセデス・ベンツ博物館。今年は野外イベントなどもいろいろと計画されているようです。シュトゥットガルトが誇る車たちを見に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

メルセデス・ベンツ博物館:www.mercedes-benz.com/en/classic/museum

フンドハウゼン エリ
大阪生まれ、東京育ち。2007年末よりシュトゥットガルト在住。Merz Akademie大学視覚コミュニケーション科卒。語学力を武器に、日本企業のリロケーションをサポートしながら、メディアデザイナーとしても幅広く活躍している。趣味はギターと読書。

 
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