バーデン地方の主要なワイン産地を結ぶ「バーデンワイン街道」。そのちょうど真ん中あたりに位置するビューラータール(Bühlertal)では、「ワインハイキングの日」(Weinwandertag)というイベントが毎年秋に開催されています。その名の通り、ワインとグルメを楽しみながら全長8キロのコースをハイキングするファミリー向けのイベントです。ドイツ統一記念日で祝日だった10月3日、お友だち家族に誘っていただき、総勢6家族17名(大人10名子ども7名)の大人数で参加してきました。
ワイン畑をハイキング
観光案内所で参加費(大人4ユーロ、子ども無料)を支払うと、最初に配られるのはハイキングパスに加えて、大人はスパークリングワイン、子どもはグレープジュース。午前11時だというのに、まずはみんなで乾杯! グラスをその場で返却する必要があるため、ぐいっと飲み干し、ほろ酔い気分でハイキングに出発しました。
獣道のような細い道や森を抜け、ビューラー渓谷に広がるブドウ畑の絶景を眺めながらのハイキング。それだけで子どもも大人も充分に心踊る体験ですが、道中には8カ所のスポットが設けられており、地元ワイナリーのワインとバーデン料理をはじめとした約30種類もの豊富なグルメを堪能できます。私は地元で採れたキノコのソースとパン団子(Semmelknodel)、フラムクーヘンを味わうことができました。
なみなみと注がれたワインとフラムクーヘン
肝心のワインは比較的スムーズに購入することができましたが、グラスワインを注文するとなみなみとグラスいっぱいに注いでくれるため、たくさんの種類を試すのは難しそう……と思いましたが、幸いにも私たちは大人10名での参加。各スポットでボトルを購入し、少しずつシェアしながら四つのワイナリーの8種類のワインをいただくことができました。
特に私が心惹かれたのは、オーガニックワインを手がけるWeingut Meierの深みのあるロゼワインです。熟したイチゴやラズベリーを思わせるふくよかな味わいは、プリオールというPIWI品種から造られています。PIWIは、環境への負担を軽減しながら高品質なワイン造りができるため、サステナビリティの視点からも、ワイン生産に携わる多くの人が開発と導入に注目している品種だそうです。
マイヤーワイナリーのロゼワイン
今年で18回目を迎えるこのイベント、初回の参加者はわずか49人だったそう。現在では毎年約2000~3000人もの人々が参加する大人気のイベントとなっており、わが家でも毎年の恒例行事となりそうです。
ビューラータール:www.buehlertal.de
南ドイツの黒い森の片隅で、自然と調和した暮らしを実践中。味噌や麹を通じた伝統食の紹介やオーガニックの魅力の発信、親子で楽しめる味噌作りワークショップを開催。ローカルな暮らしの日々をインスタグラムでつづっています。
@schwartzwaldtagebuch



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