皆さんは、「麹調味料」を活用していますか? 塩麹や醤油麹など、麹を使った発酵調味料は昔からありますが、実はこの10年で急速に広がっています。その火付け役となったのは、「こうじで世界平和を」をテーマに活動していらっしゃる大分県の老舗こうじ店「糀屋本店」九代目・浅利妙峰さん。江戸時代の食物事典「本朝食鑑」より塩麹を再現したのが、現代の食卓へ広まったといわれています。
まだ温かい出来たての麹
私は南ドイツの小さな村の片隅に暮らしながら、発酵×持続可能性をテーマにオーガニックの魅力を伝える活動をしているのですが、今回シュトゥットガルトで「麹調味料とオーガニック講座」を開催させていただきました。お招きくださったのは、シュトゥットガルトの日本人コミュニティ団体「まほろば」(Mahoroba e.V.)。シュトゥットガルトと近郊に暮らす日本人が、言葉や文化の壁を越えて、子育てから介護まで安心して暮らせるようにと、地域のつながりづくりを目指しサポートする非営利団体です。料理教室をはじめ、施設見学、勉強会などを開催しており、在独日本人同士が気軽に集うコミュニティとして大切な役割を担っています。
しょうゆ麹作り
当日は、出来たてのまだ温かい麹3キロを抱え、材料をぎっしり詰めたキャリーケースを引きながら、自宅から電車で約3時間かけて会場へ向かいました。お迎えくださったのは在独60年という大ベテランをはじめ、人生経験豊かな大先輩方10名。プロジェクターを使ったオーガニック講座に始まり、参加者と一緒にオーガニック材料でしょうゆ麹を作ったり、塩麹漬けの野菜や採れたての山菜の試食をしたりしました。
麹のお漬物やわらびの試食も
ドイツはオーガニック先進国として知られ、2030年までに農業面積の30%を有機農業にするという国家政策を掲げているほか、ほとんどのスーパーにはビオコーナーが設けられています。私自身、ドイツに移住してから、ドイツではオーガニックが特別なものではなく、日常の選択肢としてごく自然に根付いているということを知りました。そんなオーガニックについて学んで見えてきたのは、日本で有機食品を選ぶ理由が「安全・安心」や「健康」が中心であるのに対し、ドイツの人々は「地域農業の支援」や「アニマルウェルフェア」を重視する傾向にあるということです。
オーガニックの本質はソーシャルベネフィット、つまり自分だけでなく社会全体への利益にあります。人と人がつながり、支え合う。まほろばで過ごしたひとときは、オーガニックが目指す小さな、でも確かな一場面だったと感じています。
南ドイツの黒い森の片隅で、自然と調和した暮らしを実践中。味噌や麹を通じた伝統食の紹介やオーガニックの魅力の発信、親子で楽しめる味噌作りワークショップを開催。ローカルな暮らしの日々をインスタグラムでつづっています。
@schwartzwaldtagebuch



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