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アートを通して環境を考える「Eco Art Frankfurt」

9月19日から10月5日まで、環境とアートをテーマにしたイベント「Eco Art Frankfurt」がフランクフルトで開かれました。このイベントは毎年ギリシャの首都アテネで行われているものですが、フランクフルトでの開催は今年が初めて。今回は、その模様をリポートします。

イベント開催に先駆け、マイン川南岸に芝でできた巨大なソファー「Main Sofa」が設置されました。100%再生可能な素材を使い、ヘッセン州の「持続可能性の日(Tag der Nachhaltigkeit)」に発表されたこの作品は、同州の環境省が主体となって制作。Eco Artと連動し、環境と芸術をテーマに、このソファーを囲んで討論会や工作などのイベントが行われました。

展示品
身近な電気エネルギーについて、分かりやすく展示した「Frankfurt Light」展

19日からは、中心街のツァイル周辺でも続々と作品がお目見え。ハウプトヴァッヘの広場には、電気エネルギーをテーマに、LEDなどの電球比較や電池のリサイクル方法を紹介、展示する特設スタンドが建てられました。環境問題と言うと大げさに聞こえますが、このように生活に密着したエネルギーを題材に、それを視覚的に捉えることで、問題を身近に感じることができます。

ショッピングセンター・マイツァイルでは、フランクフルト出身のDavid Starn氏による和紙や植物を使った作品や、スイス出身のMicha氏による鉄の腐食を用いた作品、鳥瞰的な視点で描かれた韓国出身のYoug-Cha Kim氏の風景画など、世界中のアーティストの作品を展示。難しく考えがちな環境問題を、アートというフィルターを通して抽象的に感じ取るという興味深い体験ができました。 

水の柱
ツァイル通りに何本もの水の柱を立て、海洋汚染に警鐘を鳴らす「Plastic Ocean」

その他、デパートの中などにも作品が飾られ、イベントのことを知らない買い物客も、面白そうな作品に思わず足を止めて観ていました。ツァイルギャラリーの2階では、エコバッグを題材にした「Frankfurt Bag」展を開催。作品展示のみならず、実際に企業や消費者にエコバッグの使用を提唱し、アートを通して環境問題への積極的な取り組みを促す活動となっていました。

またツァイルの路上には、水泡が沸き上がる透明の柱の中にカラフルなプラスチックのキャップを浮かべた「Plastic Ocean」という作品が出現。この不思議な水の柱の傍には、プラスチックによって生じた海洋汚染に関するパネル展示があり、環境問題へ目を向けるきっかけとして、芸術作品が上手く利用されているなと感じました。

フランクフルトでのEco Artの開催は今回が初めてということもあり、ツァイルを中心とした、限られた範囲での作品発表でしたが、今後は規模を拡大し、毎年実施されるとか。かしこまらず、感覚的に環境について考えられる良い機会なので、今後の発展に期待したいと思います。

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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