Hanacell

トレイル・ウォーキング

日本でも、ウォーキングや山歩きを楽しむ人が増えていますが、ドイツ人ほど散歩の好きな国民もいないのではないでしょうか。正直、なぜこんなに散歩をするのか理解できないでいた私でしたが、先日知り合いに誘われて、トレイルと呼ばれるフランクフルト市内の歩行者コースを散策し、その魅力に触れてきました。

欧州経済の中心地といわれるフランクフルトは、少し電車に乗るだけで森林浴ができてしまうほど、緑の多い町でもあります。私たちは路面電車で森の近くまで行き、そこから歩行者専用道路を歩き始めました。

本当に市内の一部なの?と思うほどの木々に囲まれたトレイルでは、トレッキング用ポールを持って黙々と歩く人や、犬の散歩をしている人、ベビーカーを押すお母さん、自転車で走り抜けるサイクリスト、位置情報を表示するGPSトラッカーを片手に歩く人など、実に様々な人たちが、思い思いのスピードと目的で進んでいます。あちこちに歩行者や自転車用の標識があり、ランドマークまでの方向と距離が表示されているので、大した装備もせずに気軽に来てしまった私でも、迷わずに森を散策できました。

ジャック
目的地への方向と距離を示す自転車用の標識

枯れ葉を踏みしめるときのサクサクという音、鳥の鳴き声、木の実が落ちる音、鳥が湖面に着水する音。街の喧騒から離れたこの場所には、ゆっくりと穏やかな時間が流れていました。折しも紅葉の季節で、美しく色づいた木々の中を歩いていると、清々しい気分になりました。

ジャック
枯葉のじゅうたんの上をサクサクと音を立てて進みます

ゲーテの生家「ゲーテハウス」からゲーテタワーまでのゲーテ・トレイルや、果樹地帯を歩く果物トレイルなど、フランクフルトにはこうした歩行者道がたくさんあります。私が歩いたのは、街を取り囲む緑地帯に沿って設けられたグリーンベルト・トレイル。全長約65kmで8つのコースに分かれており、9カ所のスタンプ台が設置されています。市の環境局が発行するトレイルパスにスタンプを押し、すべて集めるとハイキング・バッジがもらえるそうです。

本格的に歩くのなら、同じく環境局が発行する「レクリエーションマップ」が便利です。市内すべてのサイクリングとハイキングコースに加え、公共トイレや休憩所などの情報が細かく記されています。トレイルパスやマップは環境局が無料で配布しており、インターネットでも注文できます。

たかが散歩と思っていた私も、実際にトレイルを歩いてみると感覚が研ぎ澄まされていくようで、驚くほどすっきりとした気分になりました。家に閉じこもりがちなこれからの季節こそ、ドイツ人を見習って、散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。

フランクフルト環境局
www.umweltamt.stadt-frankfurt.de

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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